はい、2015年もごめんください。小杉です。今年もどうぞよろしくお願い致します。
この年末年始は、1年分は見ただろうなってくらい、バラエティ番組を見ていました。
普段、テレビを見て爆笑することなんてないのですが、番組の構成、CMの入れかた、芸能人のキャラ立ち方、テロップの入れ方などなど、参考になることがたくさんありました。逆に、つまらないと思う理由も考えてみたり。たまにはテレビもイイですね。
リンゴで考えるコンテンツの演出
私は絶望的に芸能人を知らない(AKB系はみんな同じ顔にしか見えない)のもあって、番組の内容や演出の仕方で、芸能人の印象ってだいぶ変わるなあと思う次第です。
関係者やファンなら、魅力バイアスがかかって「この人、やっぱオモシロイ!」と思うかもしれませんが、知らない人なら「この人誰?」「この番組、内輪ウケしてるだけじゃない?」と感じるのが一般的ですよね?
これを「あ、この人オモシロイかも」と思わせるのが、演出の力。ウェブでのコンテンツの見せ方と通じるところがあるんですよ。
リンゴを買いたいと思わせてみよう
私が今、リンゴを10個持っています。これをあなたに買ってもらいます。
長野県産のおいしいリンゴです。1個 200円で買ってください!
と言っても、買ってくれないと思います。
長野県産のおいしいリンゴです。1個 30円で買ってください!
と言えば、買ってくれるかもしれません。それはなぜか?
あなたが相場を知っているからですね。
30円のリンゴなら「安いから欲しい」と思うかもしれません。でも、私がリンゴを1個100円で仕入れていたとしたら、私にとっては、売れば売るほど赤字です。
では、リンゴに説明を入れてみましょう。
ここに、リンゴがあります。長野のリンゴ農家さんから直送で仕入れたリンゴです。
リンゴといえば秋を感じるかもしれませんが、実は甘みが増すのは寒い冬。
リンゴが寒さを凌ぐために、果肉に含まれるでんぷん質を糖に変えるからなのです。
しかもリンゴの果皮に含まれるワックス成分が水分の蒸発を防いでいるため、中身はシャキシャキのまま。ひとつ、切ってみましょう・・・このシャキッとした音!歯ざわりも良さそうですね。断面もこのとおり、瑞々しいです。今ひとつ切ってしまったので、残りは9個だけです。1つ250円と少々高値ですが、おひとついかがですか?
こたつでみかんもいいですが、果汁がしたたるシャキシャキの甘いリンゴを楽しむのも、お正月のおせちに飽きた口には新鮮ですよ。
・・・と、説明文を変えてみました。
いかがでしょう?さっきよりは「買ってみてもいいかも」と思えましたか?
説明文は少し長くても、自分で書いていて涎が出そうになるくらいが目安です。上記はずらっと書き連ねましたが、本当はこれを読みやすくレイアウトしたり、写真を入れたりするといいですね。
食べ物の説明は、テレビのグルメ番組が非常に参考になります。
- どこでどのように育てられたものなのかを紹介
- 相手の常識を確認しつつ、共感を得るか、意外性を出す
- シズル感(擬音が非常に効果的)
- 実際に口に入れた時の疑似体験
この4つのポイントを押さえると、「ちょっと食べたいかも・・・」と思わせることができます。しかも、安売りする必要はありません。(逆に高値をつけました)
説明文を考えるときはナレーターを思い浮かべて(グルメレポーターだと個人差があるため)(好きな芸能人の方が考えやすいという場合は問題なし)、脳内で簡単に番組をつくってみるといいですよ。
個人的に、ゴチバトルのメニュー紹介は参考になるなあと思いました。CM入りすぎるのは勘弁して欲しいけど。
コンテンツ ≒ 資産であるべき
「資産」とは元々投資用語で「将来的に利益をもたらすもの」という意味があります。「負債」はその逆ですね。
先程の例で言うと、ただのリンゴでは「負債」となりかねませんが、食べなきゃ損するリンゴだと思わせることができれば「資産」となり得ます。
でも、モノは変わっていません。説明の仕方を変えただけです。
ウェブで「コンテンツ」と言われるものは、見せ方によって負債にも資産にもなり得ます。負債となっているコンテンツは、果たしてコンテンツと呼べるべきものなのか?
どうせならすべてを「資産」に転じたいですよね。
もちろん、リンゴが腐っていては根本的な問題がありますし、情報を捏造するのも大問題です。このSNS時代にユーザーを騙したら、大きなしっぺ返しが来ることになります。
強みのストーリーを考えよう
改めて、自社の持つ商品・サービスのストーリーを考えてみてください。
- なぜ、この商品・サービスが生まれたのか?
- この商品・サービスは、どんな方にどんな風に喜ばれているのか?
この2つを掘り下げるだけでも、説得力のある演出をすることができます。動画で小さな番組を作るのも効果的ですね。
強みを見つけるのは比較的簡単です。差別化できていたり、リピーターが多かったり、地域でイチバンだったりするものが強みとなり得ます。
この強みをしっかりと伝える、つまりコンテンツを資産として活かすためには、演出が必要ということを理解して、リニューアルの機会にでも実施してくださいね。