交流分析士2級 集中講座 参加レポート(1日目)

はい、ごめんください。ウェブ屋のコスギです。
ホームページを作ったり、SNSを活用したり、ウェブで商売を実現したい方のお手伝いをしています。

そんな私が「交流分析士」という心理系の資格に興味を持って、取得するまでのレポートです。この記事は1日目が終わった新幹線の中で書いているので、今日の内容をアウトプットして自分の中で整理したいということと、6日目、そして試験を終えて振り返るための備忘録のようなものですが、今後、交流分析士を取得してみたいなと思われた方の参考になれば幸いです。

まだ1日目を終えたばかりで、認識が中途半端な可能性が高いです。その点だけご注意ください。あとから「コレは違うな」と思ったら直します。

ちなみに前半は自分自身の振り返りなので、資格そのものに興味を持っている方は中盤からどうぞ。

そうそう、この日一番アガったのは、以下の名言を残したのは交流分析(TA)提唱者のエリック・バーンだと知ったことです。

過去と他人は変えられないが、未来と自分は変えられる。

そもそもなぜ交流分析士という資格を得たいと思ったのか

企業や事業主からウェブ活用を相談されると、まず現状把握から始めますが、どうしてもぶつかる壁が2つあります。

まずは「わかってはいるんだけど(様々な理由があって)できない」という壁。

ウェブで求める成果を出すためには、行動してもらう必要があります。しかしその行動を起こせなければ、何も変わりません。

「できない」という問題については、そもそもやる気がない、どうやったらいいのかわからない、やる理由がわからない、他の部署が絡んでいるからできない、決済者を納得させられない、変革できない企業体質、やろうと思っていることの一歩が大きすぎる、中心人物が異動して状況が共有できていない、などが考えられます。

企業規模に関係なく、チームが正常に機能していれば(本当に「わかって」いれば)いくらでも自走できるようになるのですが、たいていは「人」が原因で改善サイクルは回りません。

そんなわけで、やっぱり私自身で手を動かそうと思うことも増え、認知心理学やコミュニケーション心理学や行動分析学や行動経済学やモチベーション心理学なんかに興味を持って、様々なコンテンツを仕掛けていくこともするようになりました。

とはいえ自分の動ける範囲には限界があるので、やはり組織のチームビルディングは大切だと、ファシリテーションやコーチングを書籍などで学びながら実践していました。

そしてもうひとつの壁は、「私が最後まで継続的にフォローしきれない」という弱み。

戦略的に考えることはできますし、腑に落ちるところまでまとめることもできますが、ほとんどの案件はこちらから声をかけることをしないため、単発で終わります。また困ったときに声をかけてくれれば良いというスタンスで、「昔の愛人」みたいな立場と言えばわかりやすいでしょうか。ただし、自分の興味のあることに対する集中力は発揮できるので、全体を共有した状態だと様々な視点でモノゴトが見えるのも確かです。

心理分析をすると、戦略性や企画力みたいなものは出てきますが、継続力という言葉を見たことがありません。たとえば、ストレングスファインダーひとつ取っても、戦略性・学習欲・最上志向・収集心・ポジティブです。

もちろん、私の「力不足」という言葉でまとめてしまえば簡単です。それに、「継続こそが力なり」という名言を実行するには、今の時代、タスク管理して自動化してしまえば対応できます。自動化しなくても「がんばれば」なんとかなります。

ただ、弱みを補い続けた結果、疲れて楽しみを失ってしまっては本末転倒です。それが仕事だと言われればそれまでですから、私にはこの仕事は向いていないということでしょう。今の仕事を辞めるかどうかは自分で決めることですし、あきらめたいとも思っていません。

ですから、私自身の強みを発揮して弱みを補うには、どのみち心理学からのアプローチが欠かせません。知的好奇心を刺激すれば継続そのものは可能なので、「できない」ことを分析すればちゃんと「できる」ようになることも実感しています。その範囲が狭いので、チームづくりの重要性を感じていました。

ファシリテーションやコーチング、心理学を独学で学びながら実践していく中で、一番反応が大きかったのが子どもたちでした。よって、好奇心が教育に向いたのは当然の流れでしたが、チームとなった組織の強さや、ウェブのコンテンツで人の変化をデータで判断することにも興味が尽きません。編集の仕事も大好きですし。

やりたいことの範囲がこの一年でふくれあがったので、ここら辺で資格を通して心理学を深めようと思った時に、選んだのが交流分析士だったのです。

正直、取得して良いものかどうかは最後まで迷った

本当は認知心理学をもっと深めたかったのですが、ファスト&スローの上下巻を読めばすべての内容は入っていると言っても過言ではありません。この2冊は何度も読み直したい……けれど、濃い……!

ということで、次に検討したのがNLPでした。

しかしNLPは「自分を変えることで相手が変わる」という認識が先行し、NLPの手法(ディソシエイトしつつラポールからのリフレーミングなど)でファミリーマネジメントを実践した結果、家庭の空気感がすごく良くなるという成果もあったのですが、自分自身をコントロールすることに疲れてしまったので、取得金額を理由に選択肢から外しました。

根本的に価値観の合わない人に対して自分の弱みをカバーするアプローチをしていたので、血の繋がらない家族に対して毎日無理をするのは辞めました。結果的に「自分はこの人のことを嫌ってもいいんだ」と気づくに至ったのは悪くない結果でしたが。

ちなみに、同じ受講生さんにNLPの資格を持っている方もいらっしゃって、「とにかく必死で、自分を取り戻すために取得した」と、今も実践していらっしゃるので、私が取得しないのは単純にトラウマです。もったいないと言われるかもしれませんが、今はタイミングではないんでしょう。

そして様々な心理系資格を比較検討した結果、交流分析(TA)にたどり着きました。

最初は正直、どうしようかと思ったんです。

なぜなら、ウェブサイトが古いから。リンク切れもすごいし。申し込みフォームだけが別サイトになって WordPress でできていたけれど、SSLじゃないし。掲載情報が断片的だし。建物名が正式名称で表記されていないし。ページの拡張子が htm だし(←偏見)。どう見ても高齢化のビッグウェーブを感じざるを得ませんでした。

乗って良いのか?このビッグウェーブに!と、思いながら恐る恐る申し込むと、「人数が少ない場合は開催されません」というアナウンス。私が申込んだのは関東地区、しかも東京開催の講座。これで開催されないようなら、受けるタイミングではないのだろうと、開催通知を期待することもなく待っていました。

そして届いた通知……の、封筒。本当にアナログな業界だなあ……と一抹の不安を抱えつつも、今こうして冬の集中講座に参加することができたわけです。

1日目を受講した今では、受けてよかった!というのが素直な気持ちです。

資格の取得費用は安くないけれど、高いわけでもない

交流分析士は初級を受けなくても2級から受けられるのですが、最初に日本交流分析協会の会員になる必要があり、まず年会費 6,480円と入会金4,320円を合わせて10,800円。2級は6回講座で52,920円。そして受験料が32,400円。認定料が21,600円。合計117,720円です。

私が取得している「ウェブ解析士」の資格は高すぎると言われますが、そんな言葉が吹き飛ぶくらいの価格です。金額だけ見たら「やっぱり心理系の資格ビジネスじゃん」と思われても仕方ありません。私もそう思いました。

私の場合、新潟から通うので往復交通費で15,000円がかかります。今回は集中講座なので、受験の状況も含めると5回の往復で済みますが、それでもプラス75,000円です。これで交流分析士2級を取得するのに、合計で約19万円かかることがわかります。うひょう。思わず声が出ました失礼。

さて、ここで内訳を見てみましょう。

6回講座の税抜価格は49,000円。交流分析士2級は40時間のカリキュラムなので、40で割ると 1,225円/時間 です。しかもその時間は、講義のみではなくワークやディスカッションもたっぷり入っています。おや?意外と安いですね。

それにしても受験料が3万は高いだろうと思いますよね。実は受験日は2日間あり、うち1.5日は徹底的な復習の時間になるそうです。試験日は年3回しかなく、落とすための試験ではないという理由の措置だそうで、なるほどと思いました。

資格そのものはそれほど高くもなく安くもありませんが、6日間で40時間という時間の拘束があるので、交通費は覚悟しておいたほうが良さそうです。

1日目は、交流分析の本質を徹底共有

講座の最初に資格そのものの話が出て、そこから始まる?と訝しんだのですが、高齢化のビッグウェーブが内部でも危機感として認識されていて、切実な様子を垣間見ました。日本交流分析協会はNPO法人ですしね……とはいえ、内部を支える人間になるために必要な論文にはあまり興味がないどころか、大学の卒論は黒歴史なので、関心を持つこともしませんでした。この時点では。

交流分析の歴史はさらっと済ませて、交流分析の哲学や学ぶ目標を共有しました。

日本語で「交流分析」と称している前身の Transactional Analysis(TA)は、エリック・バーンが提唱したものですが、もともとの本名は「エリック・レナルド・バーンシュタイン」だったそうです。教育分野で有名なシュタイナーは、このバーンに影響を受けたひとり。バーンについては下記の本がわかりやすくオモシロイのでおすすめです。個人的に、フロイト、ユング、アドラーを超えるというものではないと思うのですが。

そしてTAは日本に渡り、池見 酉次郎によって実践的な心理学として「交流分析」となりました。

私がオモシロイなと思ったのは、「交流分析」という名前がついているものの、直接的に相手を分析するということは、基本的にはない、という点。自分自身の自己分析をした結果、他の人との対話を行って対人分析を行なうのが交流分析です。

交流分析の哲学

私の支持したい考え方そのものなので、シェアします。

  1. 人は誰でもOKである
    自分たちの一番いいところを出していこう。人は誰でも人間としての価値がある。
  2. 人は誰もが考える能力を持っている
    考える力を持っているのに、他人の選択を否定していないか?選択は親や上司が決めることではない。決めるのは本人である。
  3. 自分の運命は自分自身が決め、そしてその決定を変えることができる
    人や環境は強い影響を与えることがあるが、従うかどうかは常に自分自身の決断。従っても、それはあなたの選択であり責任である。

特に3、シビレますね。2があるからこと3がありますね。

交流分析を学ぶ目標

交流分析を学ぶ目標は「自律性の確立」。そのためには以下の3つの能力を高める必要があります。

  1. 自己理解と気づき
    自己理解を深めれば、他人との関わりもできるようになる。
  2. 自発性を高める
    自発性とは、自分のしたいことを自分の意志で決定して自分で責任を負うこと
  3. 親密な交流を回復する
    自分自身の仮面を捨てることで、愛情と信頼に基づく真実のふれあい(親密さ)を回復することができる

交流分析の第一人者である杉田 峰康いわく、

人間関係を賢く処理する能力を身につけるためには、何よりも自分の感情・思考・行動についての気づきを深めることが必要です。

とのこと。

ミュリエル・ジェイムズとドロシー・ジョングウォードによる「自己実現への道」には、

大多数の人々は自分自らを理解し他の人達とより効果的に意思の疎通を図りたいと望んでいます。TAは人々のそうした望みを援助するものです。
(中略)
TAは人間の行動を理解するための合理的な手法ですが、その前提となる考え方は、自分を信じること、自分で考えること、自分で決めること、自分の感じを表明すること、そしてこれらのことを人は誰でも身につけることができるはずということです。

などの引用がありました。

私の回りにも「何をしたいのか自分でもよくわからない」という方が少なくないのですが、戦後の教育はつくづく自分で考える力というものを衰えさせてきたのだなあと思わざるを得ません。家でゲームをしているであろう子どもたちに思いを馳せたところで、お待ちかねのワークです。

自画像と他画像を知るための「ジョハリの窓」

自分が知っている自分、自分が知らない自分 ✕ 他人が知っている自分、他人が知らない自分の4つをマトリクスで表す「ジョハリの窓」は有名なので、知っている方も多いでしょう。ただ、それを何のために使うのか、知っている方はどれくらいいるのでしょう。私もその1人でした。

果たして、10項目の性格のうち、自分にあてはまるものを5つ選びます。そして6名の参加者同士質問をしつつ、相手の印象を10項目のうち5つに丸をつけていきます。自分に関する選択を集計し、4つの窓に落とし込むというものでした。

結果、「仕事モードの自分」がハッキリ出ていて、なかなかに居心地が悪かったです(苦笑)先述の通り、私には継続力が欠けているという認識があり、責任感の強い方でもないのですが、「責任感がなければ今の仕事は続けていられないはず」というコメントが……深い!

自己紹介のためのアイスブレイクにも使えそうなワークで、初対面ではない場合はエゴグラムを取ったほうが良いかもという話もありました。

自我状態モデルと構造分析・機能分析

交流分析において、自我状態モデルはPAC(パックではなくピーエーシー)の3つで表せます。

人間は生まれた時から、C → P → A という順番で心が作られているので、特に生後8ヶ月頃の経験はその後の決断や脚本(この言葉の説明は後日)を決めるため、非常に重要であるという話。この構造分析は、「心の作られ方」。子育て世代には興味深い話ですね。

このPACを機能として分解すると、CP・NP・A・FC・ACです。つまり、機能分析は「心の使われ方」。とはいえ、「井上さんはCPタイプ」と判断するようなものではなく、常に流動的なので、その瞬間において各機能がはたらきます。

たとえば2人で駅で落ち合ってから電車で目的地に向かう約束をしたのに、相手が15分遅刻して来たときに、あなたはなんと言いますか?

  1. 「なんで15分も遅れたんだ!?今何時だと思ってるんだ!?」
  2. 「携帯にも出ないでどうしたの?何かあったかと思って心配したのよー!」
  3. 「今からじゃ間に合わないから、タクシー乗るぞ」
  4. 「・・・(無言で帰る)」
  5. 「あー、大丈夫大丈夫!私も今来たところ!」

恋人の場合や上司、部下の場合で態度が変わってくるのではないでしょうか。これが機能分析の5つの機能です。

NPとACの違いがよくわからなかったのですが、ACは「他人の目を気にする傾向が強い」という説明で納得できました。AとACの違いもわかりにくかったのですが、他人の顔色を伺う時に、Aはその場の状況に応じて嘘がつけるけれど、ACはおどおどして嘘がつけない、みたいな印象で認識。

エゴグラムはこの5つの機能をグラフ化したもので、各機能が出やすかったり出にくかったりします。点線が何も考えずに出した自己判断。直線が質問に答えた診断結果。わかる人だけツッコんでください。

Aの自己評価が低すぎて、実はそんなに低くなかったのは安心したけれども……コドモか!ガンコちゃんか!

対人関係やストロークについては、また次回。

ちなみに現在、テキストの改訂を進めているそうです。1級を受ける際には、内容がまた少し変わっている模様。今のところ、1級を受ける必要もないかなと思っていますが「2級」って響きが……ね……。

参考:NPO法人 日本交流分析協会

1978年、新潟県南魚沼市生まれ、長岡市在住。夫と子ども2人をこよなく愛す。

教員養成課程を修了して教員免許を取得するも、民間企業に就職して12年近くウェブ制作に関わる。デザインから開発まで、制作業務をトータルでこなすオールラウンダー。

2013年4月には新潟県で初のウェブ解析士マスターになり、同年6月に起業、コスギスとして活動。心理学に基づいたコンテンツ分析と、SNSなども含めた幅広いウェブマーケティング、そしてWordPressでのサイト構築を得意とする。

ウェブ活用の人材を育てる「ウェブ解析士認定講座」や関連セミナーを新潟県内で唯一定期開催。WACAアワードにて 2016年 Best of Best を受賞。2017年 ペライチ公式 新潟県代表サポーター。

初心者向けのWordPressの勉強会(WordBench新潟・長岡藩)や、ホームページ勉強会を主催。セミナー講師としても活動中。