はい、ごめんください。
新潟は長岡のウェブ解析士マスター、コスギです。
さて、今日は UX Japan Advent Calendar への参加記事です。
参考:UX Japan Advent Calendar 2013 – Adventar
UX(ユーエックス)というのは、User Experience、何かを使ったり買ったりするときの体験全般と言えますが、体験そのものというより、できるだけ心地よく体験したいね、という考え方の事を指します。
ということで、私が時々話している 「SEO」というのは検索エンジンへの最適化ではなく、検索する人の体験を最適化することですよって話をしたいと思います。
今回はできる限りカンタンな言葉を使ってみたいので、細かい部分で違うところがあるかもしれません。
まあ UX ということで、せっかくなので、言葉の正しさよりも体験としてのわかりやすさを重視してみたいな、と。
まず、何に心地よさを求めているんだろう?
個人のブログやサイトで自分の情報を発信して、
「自分の備忘録として書いている。だけど電波に合う人がいるといいなあ」とか、
「私の言いたいことを書いている。まあ同意もあれば異論反論あるよね」とか、
「アレはかくあるべきだ。反論なぞに退かぬ!媚びぬ!省みぬ!」いうような方は少なくないでしょう。
これは自分の体験に心地よさを求めていると言えます。
ということは、相手の体験 <<< 自分の体験 となっているので、コミュニケーションを取りにくいのは当然と言えます。
そんな横柄な人、そういないでしょ?
個人レベルでは、賛成も反対も、何だかんだ言ってもそれ自体がコミュニケーションと言えるので、お好きにどうぞというところです。
ですが、これが組織や企業だったら?
自分(自社)の一方的な情報発信をしていることに気づいていなければ、コミュニケーションは取れません。
一方的な情報発信とはつまり、売り込みです。
「お客さんのことを考えて、本当に良いから売り込んでいるんだ」と言うのは、
「お母さんはあなたのためを思って怒っているのよ」とか
「オレはお前のためを思って殴っているんだ!」とあまり変わらないような気がしませんか。
売り込みがうまく行っていなくて「なんで良さをわかってくれないんだ!」「わかってくれれば買ってくれるのに!」というのは、結局のところ、自分を優先して心地よさを求めているからと言えます。
スパムは典型的な自己中
自分を優先するということは、突き詰めていくと、自分が良ければ相手のことなどお構いなしです。
スパムがいい例ですね。
不安を煽るようなメールを、勝手に送りつけてくるメールスパム。
有名になって役立つとわかっている記事を集めて、さも自分が作ったように見せるスパムサイト。
出典元がぼやけているのをいいことに、感動系の話で得た共感を広告に使うソーシャルスパム。
考えただけでも眉をしかめてしまいますね。
書いてて色々思い出して嫌な気分になりました。最近、なぜか携帯のメールにスパムが多い…。
相手が心地よさを感じてくれるにはどうしたら?
ビジネスのために作ったホームページは、見込客や常連客など、必ず相手がいます。
そんなホームページが自社の体験を重視しているようでは、一歩間違えればあっという間にスパムと同じ穴の狢と成り果ててしまいます。それで今、泣きを見ているホームページも少なくないようですが。
今、「SEOは外部リンク(被リンク)が必須ですよ!」と言っているようでは、信用できないと思って良いかもしれませんね。外部リンクは確かに重要な要素ですが、ムリヤリなんでも集めたからといって、検索されやすくなるというものではなくなりました。
誰から保険の話を聞く?
たとえばの話ですが、保険の事を知りたいあなたは、知ってそうな2人に相談しました。
Aさん「費用は?家族は?・・・あー、じゃあ○○系だといいかなあ。組み合わせたほうがいいかもしれないね。ここでざっくり選べるから、また選んだあとで詳しい話するよ」
Bさん「いまは△△がオススメ!それ以外でも資料あるから見せられるけど、△△にしたほうがいいと思うなあ」
・・・さて、詳しい話を聞きたいのはどちらでしょうか?
大抵の人は的確なアドバイスをくれそうな A さんを選ぶと思います。Bさんを勧められても売り込まれて失敗するんじゃないかと思ってしまうことでしょう。
そう、この「A さんを選ぶ」という行為が「体験」です。
そして「B さんよりも A さんがオススメですよ」とすぐに分かることが「体験の最適化」なのです。
心地よさは、信頼(安心感)と無駄のなさに通じる
Aさんの言葉は、自分自身から出ているもの。
Bさんの言葉は、外部に影響されて出ているもの。
信頼(安心感)はここから来ているのではないでしょうか。
△△はあなたにとって結果的にはいい商品で、Bさんも悪い人ではないかもしれません。
でも、伝え方が良くない。
Aさんはフォローをして的確なアドバイスをくれそうですが、
Bさんは時間がかかって結局自分で探すハメになるかもしれません。
そんなことをハッキリ考えなくても、言葉の流れでなんとなくつかめることでしょう。
つまり相手のことを考えることが、体験の最適化。
Bさんが、たとえば以下のように言ってくれたら考えが変わったかもしれません。
Bさん「30代で家族がいて、死んでも子どもが高校に入学できればいいくらいに思っている人が増えてるんだけど、もし同じような事を思っているなら、△△がそれに適しているから考えてみてね。もちろん他の保険もあるよ」
△△を薦めていて、別の資料もあるにはあるという状況は同じです。
でも、それなら△△を考えてみようかって気になる不思議。
これが体験の最適化と言えます。
多分グーグルはもっと人間に近くなる
今までの話はリアルな状況ですが、ホームページの掲載内容も同じです。
つまり、体験の最適化をされているホームページのほうが重要だと判断されて、検索結果の上位に表示されるようになるんじゃないかなと。実際に今そういう動きになっています。
だからこそ、SEO というのは Search Experience Optimization =「検索体験最適化」と考えておいたほうが良いですよ、という話でした。
まあ、SEO と区別して SXO と言っている場合もありますが、スパム業者をふるいにかけやすいので同じ言葉を使っておいたら良いんじゃないかと思います。
ちなみにもちろんですが、△△が悪いものだったらただの信用失墜行為なので気をつけましょうね。
書いててちょっとだけ凹んだ
体験の最適化・心地よさを書くにあたって、私自身の自己満足になってないかな?って、若干凹みながら書いていたのですが、「かくあるべき」というより「たぶんこう変わっていくから考えておいたほうがいいよ」という意味合いが強いです。
大切なのは、相手の心地よさ。そ
うすると、売り込めばいいというものではないという事がわかります。
そのキーワードは、信頼と無駄足。
自分(自社)のホームページは、自分(自社)の言葉で語っているか?
自分(自社)のホームページは、相手の動線に沿っているか?
この2つを注意するだけでもかなり変わるので、ぜひ今のホームページを確認してみてくださいね。
こっそり(?)診断サービスもやっていますので、どうにもわからないという方はどうぞお声がけください。