はい、ごめんください。
女子力のなさを痛感した今日この頃のコスギです。
先日の猫の日に、長岡アイティ事業協同組合様の月例会で、「女性向けのマーケティング」について登壇させていただきました。
男性はスペックでモノの良さを比較できますが、女性は感情が揺さぶられないと良さがわからないよ、というお話です。
前半は「女性のココロをつかむデザインのポイント」というテーマで、CS.llc 小黒さんの講習。その話を受けて、後半の私が「女性のココロをつかむためのコンセプトワーク」というテーマでおこなったワークについてまとめました。
消費の8割は女性!口コミ大好き!
小黒さんのセミナーでは、なぜ女性を意識したほうが良いのかという内容がロジカルに説明されていました。
参加者の9割は男性なので、データや数字などを交えた説明がとてもわかりやすかったのではないかと思います。
男性向けの車と女性向けの車の広告の違いなど、実例が入っていると印象に残りますね。男性にアプローチする商品は、スペックでの説明がほとんどです。対して女性にアプローチする商品は、感情的なものが多いです。
参加者の空気感を伺っていると、「女性=ピンクは短絡的すぎる」「ピンクにも種類がある」というところで「なるほど〜!」という雰囲気に(笑)
女性は長い文章を読もうとしません。
質疑応答の時間でも、興味深いやりとりがなされました。
- 女性のクライアントに説明しても、なかなか腑に落ちる納得感が生まれない
→ 女性が相手の場合、長々と説明するよりも相手から話を引き出したほうがうまくいくことが多い - 作った資料にすべて書いてあるのに、読んでもらえない
→ 基本的に読まれません。できないことを明記したうえで、相手の要望を落としこむと良い
・・・この何がオモシロイって、男性の考え方と女性の考え方が真逆というところ。良い悪いということではなく、そういう生き物だと割り切って対応すると、お互いが気持ちよく関わることができますね。
女性向けには「疑似体験×感情」を強く意識しよう!
私が使ったスライドは以下になります。
例ではお皿を出していますが、グループワークでは手持ちのスマートフォンをテーマにして考えていただきました。
- スマートフォンの特徴は?(スペックなど)
- そのスマホを売りたい(気に入ってほしい)相手の女性像は?
- スマホの特徴の女子力をアップ♥
というワークを、10分ずつくらいで考えていただきました。スペックを列挙する時に、グループごとに感性が違うのも興味深かったですね。ワークをすると性格が出ます(笑)
相手の女性像も考えていただきました。いわゆる「ペルソナ」です。最近はこのペルソナという言葉も、少しずつ市民権を得てきた感じでしょうか。
なぜペルソナを考えるかというと、特に女性はグループ分けがしにくいからです。年代分けなんてナンセンス。
今は物も情報もあふれているので、ライフスタイルで考えるほうが現実的です。つまり、いつも使っているモノの交換や、過ごし方の提案の方が受け入れられやすいです。
たとえば「みんなが持っている」という特徴に対して、22歳の内向的な女性は「安心できる」というポジティブな感情を抱いても、45歳の女性経営者は「同化したくない」というネガティブな感情を抱くかもしれません。
たとえば「若い母親」にアピールするなら、「みんな」ではなく「ママも、パパも、コドモも」など、「ママ」という言葉を使う。
「親離れした年代の母親」なら、「ママ」ではなく「母」という言葉のほうが適切かもしれませんね。
このように、相手に伝わる言葉を徹底的に磨いていくと、わかりやすい言葉になります。
小黒さんも少し触れていましたが、ペルソナ像や伝わる言葉を知るためには雑誌を読むとわかりやすいです。雑誌に出ている広告も、参考になりますよ。
なお、スライドで出している「なので」「だから」は、日本語として若干おかしいので、そのまま使うことは想定していません。あくまで考え方(フレームワーク)です。
スペックに対して、「シーン」と「それによって得られる具体的な感情」を考えられる癖がつくといいですね。
難しい…!という場合。
「お客様には女性が多いけど、どうしても自分たちには考えつかなくて難しい。この場合、どうしたらいい?」
という質問をいただきました。
この場合、女性のお客様を集めて、用意したテーマでグループディスカッション(インタビュー)をするのがおすすめです。ただ、どこまで本心なのかを見極めたり、話が脱線し過ぎないようにファシリテーションする必要があります。
グループインタビューがしにくかったら、数名に直接話を伺うだけでも発見があります。雑談をする感じで、お茶がてらに誘ってみてはいかがでしょうか。
コツは、相手の話をとことん聴くこと。聴く:訊く=9:1くらいを意識してください。
答えは、相手が持っています。
今までのやり方とは異なるアプローチで簡単ではないかもしれませんが、意識して機会をつくってみてくださいね。
感情が動かないと行動しない。
参加者20名のうち18名は男性なので、感情表現に苦労した方も少なくありませんが、やはり男性全員がそうかというわけでもありません。
普段からマーケティングを扱っている方や、女性と似たような思考をする方はスルスルっと出てきましたし、遊び心も出てきます。グループワークなので、それが伝播していました。
男性にしても女性にしても、共通するのは「感情が動かないと行動しない」ということです。
逆に、感情を動かすためのトリガーをそこかしこに仕込んでおけば、行動を促すことができます。
行動しろと言うのは簡単。
ですが、そのためには行動したいという気持ちにさせることが大切です。子育てと同じですね。
個人的には潜在意識の分析にも興味があるので、心を動かして行動を促すことを、今後も続けていきます。
参考になるのは以下の本。外向型の方は、接客の言葉を。内向型の方は、雑談術がオススメです。