a2iセミナーで清水誠さんの「チームの意思決定に不可欠なデータのビジュアライズ」を聴いてきました

新幹線に乗って日帰りで行ってきました。 はい、ごめんください。
新潟の片田舎で、ウェブ解析とか WordPress でのサイト作成とかやってる小杉です。
(みんな、ちゃんとマーケティングを考えたサイトを作ろうよ!)(心の叫び)

さて、IA(インフォメーションアーキテクチャ)や、コンセプトダイアグラム、サイトサーチアナリティクスなどで有名な清水 誠さんのセミナーに行きたい〜!!と、かねてより思っておりました。

あまり日本にいらっしゃらない方なのでチャンスを逃してばかりいたのですが、12月に東京でセミナーがあることを把握していたので、今度こそ参加してきました。

参考:【受付終了】特別セミナー 清水誠氏 「チームの意思決定に不可欠なデータのビジュアライズ」(2013/12/17) | アクセス解析イニシアチブ (a2i)

参考:「清水 誠」公式サイト

セミナーはもちろんですが、個人的には清水さんに会いに行ったという方が正しいです(小川 卓さんの時もそうでした)。そして交流会で a2i の方々とお話できるのも楽しみにしておりました。

ビジュアライズの歴史

私はからっきしなのですが、世界史が好きな方は、ナポレオンのロシア遠征の話はご存知なんだろうと思います。

参考:1812年ロシア戦役 – Wikipedia

上記 Wikipedia にもありますが、このシャルル・ミナールの図が6つの変数を表していて、分析がしやすいという点で非常に優れているという例を説明していただきました。

で、結果的にどうなったの?

一連の流れは Wikipedia に掲載されていますが、「ナポレオン軍が60万人で攻めたけど、最終的に5千人になりました」というのが結論です。

でも結論しか見ないと、身も蓋もありません。
どういう状況だったのか・どんな要因があったのか・予想外のことがあったのか、などがわかりませんよね。

ホームページで申込数(≒コンバージョン)しか見ないって、要するにこういうことなんです。

申込数だけ見るのではなく、関係性を理解して分析する必要があるわけです。関係性を理解するには比較対象が必要です。

大切なことなのでもう一度。「比較対象との関係性」が今回のキーワードです。
そしてそれをパッと見てすべてわかる「ダッシュボード」を作りましょうね、というお話。

ダッシュボードとは?

1つ以上の目標達成のためにもっとも重要な情報を、ひと目(ぱっと見)で監視し理解できるように、(スクロールせず)ひとつのスクリーン上に統合して配置することで視覚的に表現したもの。

エクセルでグラフを作ってレポートにすることはあると思いますが、不要な部分を極力そぎ落として、ストイックなまでに目的に沿った1枚レポート=ダッシュボードと思って良いかと。

円グラフはいらない子?

よくあるダッシュボードのミスや、視覚表現の原則に当てはめると、パイチャート(円グラフ)は使わないというのが衝撃的でした。

だって、Google アナリティクスの画面でも、新規訪問者とリピーターの割合や、モバイルなどの割合を円グラフで表したりするじゃないですか?(でもモバイルの割合は棒グラフでしたね)

2つ、せいぜい3つの比較ならいいのかな?と思いつつも、これまでの話を聞いて、ダメな理由というのは傾向がわからないからかな?と。

ちょうど休憩時間に入ったので、直接清水さんに聞いてみました。そしてシェアしてもらいました(笑・時間押しちゃったので、ちょっと申し訳なかったかな…)

円グラフは現在を表すだけでしかない

そもそも、人間は面積の判断を正確にできないので、円グラフは半分より多いか少ないかの判断しかできません。そして、値の傾向がわかりません。

つまり、これから増えるのか減るのかの判断ができないというのが問題なのです。

じゃあ、どうすればいいの?

100%積み上げ面グラフ面グラフ(積み上げ面グラフ)を使います。
横軸に時間の推移を置けば良いわけですね。これで傾向をつかめます。

シェアの推移を見たいときは、100% 積み上げ面グラフを使います。こうすると面積でもわかりますし、傾向がバッチリわかりますね!

右のサンプルは適当に作ったものですが、これだけでも1月と夏のトレンドが極端にあるとわかります。四季要因を考えるなら、2年間の推移を見てみると良さそうですね。

積み上げ面グラフ100%積み上げ面グラフは縦軸が割合ですが、積み上げ面グラフは縦軸に絶対数を表したい時に使えますね。

割合からは見えない、絶対数のトレンドを知ることができます。そのため、縦軸には数字を入れておくといいですね。

何を伝えたいかによって適切なグラフを選ぶことが大事です。

“コンテクスト” がわかるようにしよう

よくあるダッシュボードのミスに挙げられた、比較できないという問題。

清水さんは「コンテクスト」という言葉を多用していました。

「コンテクスト」というのは脈絡・前後関係・背景などと訳されるようです。私は比較対象との関係性と理解しました。先述したキーワードです。

ビジュアルの改善で解決できる部分は多いようですが、比較するためのデータを足すという観点が必要になるので、下記は注意しておきたい点ですね。

  • 過去や目標値と比較できるようにする
  • その数字が良いのか悪いのか評価できるようにする

こう考えると、円グラフにはコンテクストがないことがわかります。

良いダッシュボードとは

手法にまで落とし込んだ具体的なお話(このレポートでは割愛)がありましたが、それを踏まえて下記を肝に銘じておきたいですね。

  • 削ぎ落とされてシンプル
  • 変化やポテンシャルが分かる(現在の値だけ見てもダメ)
  • 施策や体制を反映している(やっていることを出している)

スタートアップにダッシュボードは必要ない?

質疑応答の時間に、こんな質問が出されました。

スタートアップはそもそも認知の向上と短期的な売上を目指すものですが、数値のブレ幅が大きく、体力もあまりないので、スタートアップの方が数字にシビアだそうです。

フェーズによって見る指標を変える必要もあるようでした。「リーンアナリティクス」が参考になるとのこと。

参考:UXAnalytics Lab: リーンアナリティクス(Lean Analytics)とは何だろうか?

コンセプトダイアグラムの本が3月に出るよ!

個人的には、こっちの話題のほうが衝撃でした(笑)

今、地方の中小企業さんに求められているのは、まず事業とホームページのコンセプトを明確にすることだと思っています。

コンセプトダイヤグラムというのは面白いですよ。

事業を踏まえたうえで、人の流れと、態度がどう変わるかを図に表します。
そしてサイト構造と合致させることで「サイトの動線や中間ゴールがパッと見てすぐわかる」ものができあがります。

ダッシュボードは動いているプロジェクトで共有するものですが、コンセプトダイアグラムは(主に)プロジェクトを動かすために共有するものだと判断しています(違ってたらツッコんでください!)。

「コンセプトダイアグラム」という言葉は清水さんの提唱しているもので、清水さんのサイト以外ではセミナー参加者のブログなどを時折見かけますが、資料ってあまりないんですよね。

型が決まっているものではないので、交流会で「うちの会社で使ってますよ〜」という方のお話もお聞きしましたが、やっぱり提唱者の本が読みたくなりますよね?

ビール片手に「地方でコンセプトダイアグラムを広めたいです!」と清水さんに語ったら、「あぁ〜ぜひぜひ」とさらっと言質をいただいたので、まずは3月の本をテキストにして勉強会から始めようかなと。

終電で帰らなければならなかったので、まだまだお話したかった方はいらっしゃったのですが、また機会を見つけて参加させていただきたいと思います。

a2iのスタッフの皆さま、素敵な場をありがとうございました!

清水さんの本は、サイトサーチアナリティクスがあります。こちらは上級者向け。小川さんの本の Kindle 版が出てるので、こちらは中級者にオススメです!

ウェブの心理戦略家。WordPressの勉強会(WordBench新潟・長岡藩)も主催。顧客の心理と分析を裏付けるデータを元に、心理学に基づいたライティングとWordPressでのサイト構築が得意。新潟県長岡市在住。2013年4月には新潟県で初のウェブ解析士マスターになり、同年6月よりコスギスとして活動。夫と子ども2人をこよなく愛す。おやつはプリン。

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