はい、ごめんください。
利益・感動主義のウェブコンサルタント、小杉です。
この前、Facebook でこんなこと書きました。
一部の方は、目からイカが墨を吐くくらい、何度も目にしている内容だと思うのですが、こういう情報っていつになっても重宝されるのですね。
だから、言い続けるしかないんだなあと。
今回はその中にある「ロングインタビュー」について、ちょっと補足します。
ロングインタビューは、お客様の声を最大限活かす方法
「インタビュー」と何が違うの?と思われるかもしれませんが、長さとボリュームが違うだけと思ってもらっても。
通常のインタビューが1ページで収まるとしたら、2〜3ページ(回)に渡って書かれたものを、ロングと言ってもいいかもしれませんね。「◯文字以上なければロングとは言えない!」とまで目くじら立てるものでもないので、読み手が長いと思ったらそれはきっと「ロング」なんです。サイズ感は人それぞれ。
インタビューには、いつもの記事にはない臨場感があります。閲覧者の方が感情移入しやすいため、非常にすぐれたコンテンツとなります。しかも、会話調なので読みやすい。
昨今、「マンガでわかる〜」と銘打った本が人気ですが、私はインタビューも似たようなものだと思っています。文章を書くのが苦手という方にも、インタビューはオススメです。
そのインタビューで、「やるべきこと」と「やってはいけないこと」をまとめました。
ぜひ参考に、作ってみてくださいね。
インタビューでやるべきこと
1.ゴールを決める
まず、実際にインタビューを行なうのは、質問者と回答者の二者ですが、「できあがったインタビュー記事を興味深く閲覧する人」を想定しておく必要があります。
そもそも、インタビュー記事は、閲覧者のためのコンテンツです。
閲覧者のぼんやりした悩みを解決して、どのように感じて欲しいのか。そこをゴールにしましょう。
例えば、以下のようなものです。
「実際に使っている人のデメリットが知りたいなあ…」(悩み)
↓
実際に使っている人の感じたメリットとデメリット
↓
「なるほど、こういう使い方をするとデメリットがあるんだ」(解決)
この場合は、デメリットの洗い出しと納得がゴールとなります。
「結構高いけど、実際にどういうふうに導入されているんだろう?」(悩み)
↓
最初に気になったところから、購入を後押ししたきっかけ
↓
「そっか、結構高いと思ったけど、こうすると活かせるし、実績も持てるんだ」(解決)
この場合は、価格の理由と具体例の明示がゴールとなります。
インタビューは、一般的な記事よりも読みやすいとはいえ、1つのインタビューに1つのゴールを設定しておくことで、回答者も答えやすく、読み手の理解度も高まります。
2.ゴールに向かうためのチェックポイントをつくっておく
一足飛びにゴールに行くことはできません。いくつかのチェックポイントを経由してゴールに向かう、オリエンテーリングのように見立ててみましょう。
そのための、チェックポイントをあらかじめ作っておきます。
例えば上記の「デメリットの洗い出しと納得がゴール」という場合、
- 最初にデメリットを知っていたのか
- 気に入ったメリットは何だったのか
- デメリットに気づいたのはいつだったのか
- それでも使い続けているのはなぜか
などが挙げられますね。この辺は、6W2Hで確認してみるといいですよ。
ただし、これをそのまま質問するのではなく、話の流れの中で最低限聞いておく項目とします。場合によっては、話の流れを変える際にも使います。
3.事前情報をチェックして、仮説を立てておく
人は意外と、答えられないものです。
特にオープンクエスチョン(Yes・Noで答えられない自由回答)は、「別に」とか「忘れてしまった」とか「気づいたらそうなってた」とか「なんとなく」という答えが返ってくることも少なくありません。
これは、閲覧者にとって納得できるものではありません。
そこで、先ほど挙げたチェックポイントに対し、ゆるい仮説を作っておき、相手が回答に困った際に質問してみます。
- (ホームページにデメリットを載せてあるので、それを見ていたかも?)
デメリットの一覧は、わかりやすかったですか? - (口コミで紹介されている方なので)
お友達の方からご紹介いただいたと、以前伺いましたね。 - (だいたい1ヶ月くらいでクレームが入ることがある)
ヘビーユーザーの方には1ヶ月くらいでお問い合わせいただくこともあるんですよ。 - (使い続けている方は、教えたいと思うはず)
この商品を使いたいなと迷っている方に、一言お願いします。
このように、舵取りできる質問があるとスムーズです。
インタビューでやってはいけないこと
項目だけ見た場合のわかりやすさを重視して列挙します(二重否定を意図したものではありません)。
1.自分(質問者)の話はしない
質問者が自分の話をしてしまう間違いは、少なくありません。
「そういえば、私にも経験あります(笑)」くらいなら良いのです。
「そういえば、私にも◯◯のような経験があって云々」と始まってしまうのは良くないということです。
回答者も閲覧者も辟易するので、自分語りは最小限に留めましょう。場合によっては、公開時に編集してください。
ただし、話の流れの中で納得できるような回答を求められた場合で、かつ、閲覧者が求めている内容だとしたら、掲載しても良いと思っています。
あくまでも、回答者と閲覧者を満足させることを念頭に。
2.シナリオにこだわり過ぎない
先ほど、インタビューはゴールまでのオリエンテーリングと書きましたが、がっつりとシナリオを書いてしまうと、やらせっぽくなってしまいます。
むしろ、回答者の話したいことを話してもらうくらいの態勢で臨みましょう。
回答者が緊張している場合、チェックポイントしか答えてもらえないこともあります。そういう時は早々に終わらせ、「こういうのって緊張しますよね〜(笑) せっかくなので、言いそびれたことなどあれば」と促すと、色々出てきたりします。
そして最後に「・・・今の、記事にしてもいいですか?」と了承を得るのもひとつの手です。
質問者が意図していなかった話こそ、閲覧者にとって美味しかったりするものですから。
3.ステマはダメ、ぜったい。
「ステマ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?「ステルス・マーケティング」と言われる手法で、宣伝と気づかれないように宣伝することです。
インタビューがやらせだとしたら、それはステマです。また、架空の消費者を装ってインタビュー記事をでっち上げるのもステマです。
シナリオがあったとしても、できるだけ相手の生の声を拾うようにしましょう。後から編集して都合の良い用に記事をつくり上げるのは、NGです。
では、社員にインタビューして、最後にセールスポイントを言ってもらう記事はステマでしょうか?
これは、宣伝だという趣旨が明示されていれば、ステマではありません。いわゆる、ステルスしていないステマです。宣伝行為そのものが悪ということはありません。
相手をだますような行為は信用失墜につながるので、絶対にやめましょう。
録音機材は?
周りが静かなら、スマートフォンのレコーダーアプリでも十分対応できます。
お互いの声を収録する必要があるので、失敗したくないという方は、集音性能の高いICレコーダーがオススメです。
その他、インタビューの参考になる記事を以下にご紹介。
- インタビューのコツを、たった3分でつかむ方法 | 大阪のWEB制作会社 フレイバーズ
場の空気作りも参考に。 - インタビュー取材方法と記事作成のコツ | インタビューライター 丘村奈央子
本職の方の記事です。準備の多さ! - ユーザーの隠れた本音を聞く! 9つのポイントでデプス・インタビューを攻略する | プロ厳選! ユーザーを理解する調査手法 | Web担当者Forum
ちょっと横文字多いですが、記事に落としこむための参考に。 - 【インタビュー手法】取材・インタビューの7つのコツ | BLOG | シナジーマーケティング株式会社 SynergyMarketing
掲載後のことや BtoB の場合についても。
単純に、アンケートに書かれたお客様の声をまとめて掲載するだけでなく、インタビューとして残しつつ、新しい発見を得てくださいね。