はい、ごめんください。
新潟のウェブコンサルタント、コスギです。
ウェブコンサルと言いながら、ここしばらくずっとウェブ活用以前の話をしています。
ホームページを改善するにはもう、小手先のノウハウでどうにかなる状況ではありません(どうにかなっていたら、ウェブコンサルは存在していませんね)。
それだけ、根本的な改善が必要なところに来ているんだなあとしみじみ思います。
先日、新潟県中小企業団体中央会主催で10月20日(長岡)・27日(新潟)の2回、セミナー講師を務めました。
セミナーレビューは別記事に記載しますので、まずは事前にご質問いただいた内容への回答から。
Q1 アクセス解析をしていますが、セッション数や直帰率などの数字を確認するだけになっています。うまく生かすにはどうしたら良いですか?
追記:新潟会場ではアクセス解析を導入している方が少なかったので、当日は考え方だけご説明しました。
とりあえず数値の推移を見ている、という方は多いですよね。
セッション数や直帰率の「目標値」を立てることがオススメです。
その目標値は適当に決めるのではなく、売上目標から逆算するといいですよ。
- 売上を今月の2倍にするには、何件の問い合わせがあればいい?
- その問い合わせ件数を達成するには、直帰率が何%になればいい?
- その問い合わせ件数を達成するには、何件のセッション数があればいい?
・・・などなど。
上記はだいぶ端折りましたが、その端折ったルートを具体化する必要性もありますよね。
また、現在のデータから問題発見することもできますが、そこは県内のウェブ解析士にぜひご相談ください。
御社の顧客や競合、ビジネスフローと合わせ、様々なデータから問題発見ができるプロですから(^_^)
Q2 ホームページのアドレスを各部署で持つ場合のメリットは?
ひとつの企業がいくつかのサービスを提供していて、顧客の求めているものがそれぞれ違う場合には、ホームページを分けたほうがいいですね。
たとえば、薬で考えてみましょう。(あくまでたとえばの話です)
あなたが「風邪をひいているけれども、仕事をしなければならない」という状態であると仮定して。
鼻炎で困っていたら、鼻炎薬を、
咳で困っていたら、咳止めを、
熱で困っていたら、熱冷ましを。
反応がハッキリ出ているなら、総合感冒薬よりもそれぞれに効果があるものを選びませんか?
もしただの風邪ではなくインフルエンザだった場合には、市販薬よりも抗インフルエンザ薬のほうがいいでしょう。
求めるものに対して、適切なホームページを作っておくと、検索エンジンにも「このホームページはこういう人に役立つものだ」と判断され、より多くの(同じ悩みを抱えている)方の目に届くようになります。
といっても各部署で作るとなると、費用も必要になりますよね。
ですので各部署で持った方が良いというよりは、顧客と競合、自社のサービスを検討し、優先順位をつけるといいですね。
Q3 ホームページの更新(主に写真の入れ替えなど)を兼任の総務課の係員がやるべきか、外注した方が良いか?(費用対効果の見分け方を踏まえ)
写真の入れ替えという前提ですが、商品写真なら、プロのカメラマンに撮ってもらって、そのまま外注した方が良い場合もあります。
ブログの更新やスタッフの活動を出していくならスマホで十分なので、内製で良いのではないかなと。
ただ個人的には、プロに任せっぱなしではなく、そのスキルを学びながら、将来的には卒業して内製することをオススメします。
というのも、商品の良さを一番良く知っているのは、自社のスタッフ(のはず)だからです。
スマホカメラの性能も上がっているので、よっぽど写真にこだわる必要があるのでなければ、社内のスタッフでも対応できます。
ウェブ担当者を立てられるなら、ぜひ立ててください。
考えようによっては、総務の方よりも営業の方がオススメかもしれません。
というのも、ホームページは御社の「インターネット支店」だからです。
もし外注を検討するなら、
- 現場の稼働率(ウェブ支店を管理できる余力があるか)
- スタッフの教育費(どれくらいで満足できるクオリティになるか)
- 更新内容が貢献できる費用感(その更新の目的はなにか)
などを検討して決めてはいかがでしょうか。
Q4 スマホ向けに見やすいというのが重要ですか?
将来を考えるなら、重要です。
Googleは「モバイルフレンドリー」という言葉で、モバイル対応すべしと断言しているわけですし。
そもそもなぜGoogleがモバイルを重視しているかというと、スマホの普及率が無視できないスピードで伸びているからです。
既存のお客様に向けたサービスだとしても、稼働環境が限定されているものでなければ、やはりモバイル対応は必要になってきます。
変わらなければ、代えられるという時代ですよ。
Q5 ホームページは有料と無料の物があると思いますが、どちらが良いのでしょうか?
このご質問は、
「お店をやるには店舗を持つ以外にも、自宅開業やチャレンジショップ、委託販売などもあると思いますが、どの方法がいいのでしょうか?」
という内容に置き換えてみると、答えはほぼ同じです。
店舗を持つのは、初期費用も大きいのでリスクが大きいですが、しっかりと計画を立てることでちゃんと回収も可能ですよね。
「自分の好きなモノを売ってみたい」という考えなら、店舗を持つ前にやれることは色々あるかと思います。
ホームページは、インターネット上の事業所です。
- どれくらいのお客様に来ていただくのか
- どのくらいの売上を見込むのか
- 初期投資はいつごろ回収できるのか
などを検討して、決めると良いのではないでしょうか。
インターネットを使ってビジネスを広めたいと思ったら、ぜひ「投資」という考え方で判断してください。
Q6 ブログとホームページはどう違うのですか?
この違いについては、色々な説明ができるので、ぜひあなたの得意な分野にたとえてお話したいのですが(笑)
それぞれ、役割があります。
ブログは、興味関心を引くための「きっかけ」づくり。
ホームページは、その興味関心を深める「信頼」づくり。
だから本当は、どちらも必要なのです。
Q7 わからないことがわかりません・・・
「やらなきゃならないのはわかってるけど、なんかもう全然わかんない!」
という方は少なくないので、ご安心ください(^_^)
ただ、その行動は素晴らしいことなので、あとはどこに行けばいいのかがわかれば大丈夫ですね!
ホームページは、「船」です。
「ホームページをなんとかしたい!ホームページを作りたい!」と仰っている方は、
「船をなんとかしたい!船を作りたい!」と言っているのと同じなんです。
「実は、東京に行きたくて・・・」ということでしたら、(新潟なら)船よりも新幹線の方がいいですよね。
- 誰のために
- なにを実現したいのか
- どこを目指しているのか
- いつまでに到着したいのか・・・
などを考えていくと、「わからないポイントがわかる」ようになりますよ(^_^)
Q8 様々なことをしているので、いまいちピンと来ません・・・
ひとつの企業で複数の部署がある場合や、ホームページで複数の情報を掲載している場合、以下の手順がおすすめです。
- ビジネスフローを具体的に見える化します。まずは部署ごとに分けてみるといいですよ。
同じ部署なのにやることが複数、という場合はそこも小分けにしてあげてください。 - そのいくつかのフローのうち、インターネットで特に力を入れたいフローをいくつか選びます。
- 重要度と緊急度に分けた4つのマスに、選んだフローを理由とともにプロットします。
- 重要かつ緊急のビジネスフローから、改善していきましょう。
ホームページは、インターネット支店です。魔法の道具ではありませんので、しっかり事業計画を練りましょう。
もちろん、お手伝いしますよ!
Q9 Facebookの店舗ページでもホームページの代替になるような気がする。メリットデメリット、注意すべき点は?
Facebookをやっている方は、周りはみんなFacebookを使っている!と錯覚してしまいます。そうすると、Facebookをやっていればいいか、と考えがちです。
ですが、皆さんが思っているほど万能なツールではありません。
「エッジランク」という独自の仕組みがあり、あなたやページの投稿が「読まれている」とは限らないのです。
※この辺りは「インサイト」という機能で分析できますが、長くなるので今回は割愛します。
たとえば個人でやっていて、ビジネスの規模が小さく、すでにFacebookを使っている方がお客様で、毎月ちゃんと回っている、ということなら、特に問題はないと思われます。
Facebookは、「既存のお客様やファンに情報を届けられる」というのが一番大きなメリットです。招待機能やタグ付け機能などもありますので、ピンポイントで情報を届けられます。
ですが、「不特定多数の人に情報を届けたい」となると、Facebookは弱いです。
また、ソーシャルメディアは「情のメディア」なので、セールス要素は嫌われます。良くも悪くも、お客様がふるいにかかります。
広告を使うという手段もありますが、そもそもホームページを持っていない規模だと、信頼されにくいです。
そもそも日本では、SNSの文化は他国より発展していません。
Facebookの推定ユーザ数については、以下も参考になります(2015年3月のデータです)。日本人口の19%程度しか使っていないそうですよ。
参考:アジア各国の3月Facebook推定ユーザ数を発表しました — セレージャテクノロジー
日本はインターネット先進国なので、メール文化のほうが強く、SNS怖い!という方が多いんですよね。(という方、近くにいらっしゃいませんか?)その壁を超えるのが、ホームページやブログです。これは検索から表示されますから。
ちょっと長くなってしまいましたが、まとめると、
- メリット → ピンポイントに情報を届けることができる
- デメリット → 不特定多数の人には届きにくい
- 注意点 → セールスはしない
ですね。
Q10 モバイルフレンドリーが必須となった現況で、やはりWordPressで制作する場合が増えているのでしょうか。
ちょっと専門的な言葉が出てきたので、先に解説しますね。
「モバイルフレンドリー」というのは、
スマホの画面でも、文字が小さいとかボタンを押しにくいなどの問題がなく、ストレスなくちゃんと見えたり読めたりできるよ!
という状態のことです。
「WordPress」(「ワードプレス」と読みます)というのは、
写真や文章などの素材さえ揃えば、ホームページやブログを比較的簡単に作ることができ、幅広い機能を簡単に追加でき、ブログやページの更新も容易で、世界中に広まっている無料のシステム
のことです。
WordPressの人気は今も伸びているようですが、この普及と、モバイルフレンドリーへの対応は、必ずしも因果関係があるとは思っていません。
というのも、WordPressは使うまでは簡単ですが、使い続けるにあたってのリスクが大きいからです。
世界中で人気のシステムということは、それだけ悪い人に狙われやすいということ。
だから個人的にはもう、素人が手を出すとヤケドしかねないシステムだと判断しています。
WordPress以外にも、スマホ対応できる方法はたくさんあります。
視野が狭くなってしまうことに危機感を感じているので、そこはぜひ、様々なシステムやサービスを検討してください。
Q11 弊社は採用専用のホームページを設けているのですが、学生からの反応がありません。分かりやすさやトピックの目立たせ方などを教えていただければ幸いです。
ホームページの活用を考えた時、ほとんどの方が気づかずに落ちている穴って、なんだと思います?
実は「言葉の定義」なんです(これをセミナーで行ないました)。
実際に対面しているお客様とは、雰囲気や表情、仕草などがわかりますよね。ですがホームページでは、相手が見えにくいのはご承知のとおりです。
だから「反応」を
「問い合わせがあったかどうか」
「メルマガの登録数はどうだったか」
「アクセスが増えたかどうか」
という「0か100」で判断してしまいがちです。
そうすると、100に到達するまでのプロセスがブラックボックスになり、この状態でノウハウを得ても、あまり効果が見えません。
ということで、
- 0→100 となっているプロセスを、0→10→20→50→80→90→100 のように見える化する
- 今、0に問題があるのか、10に問題があるのか、10を解決した先の20に問題があるかもしれない、など、課題のありかを考える
- 課題を「重要度」と「緊急度」に分け、優先順位をつける
- 優先度の高いところから投資していく
という流れが必要です。
ということで、まずは「反応」という言葉を定義して、プロセスに分解することから行ないましょう。
「そんなことはわかっているから、具体的な分かりやすさのコツやトピックの目立たせ方が知りたい!」というデザイン的な話だとしたら、キーワードは「差別化」です。
- 情報が多すぎて、見せたいものが埋もれていませんか?
- 1ページに、情報を埋め込みすぎていませんか?
- 色を使いすぎていませんか?
- 写真を使いすぎていませんか?
- 文字をもっと大きくしてみませんか?
これらをチェックしてみてください。
Q12 ネットショップを作りましたが、アクセスがなく、集客に悩んでいます。
昔は相当お金のかかったネットショップですが、今は無料から始めることができるので、簡単に作れますよね。
つまり「ライバルだらけ」な状態です。
ほとんどの人は、あなたの商品の良さがわかりません。似たような商品を、他で買っているかもしれないからです。
ある程度の人は、興味を持ってくれるかもしれません。ただ、買うかどうかはまた別の話です。
まずは、この現実を受け止めてください。
そのうえで、まずはA+B+Cをしっかり分析しておきましょう。
参考:初心者でも売れるホームページの作り方。まずはA+B+Cを考えよう。- コスギス
ネットショップ単体で集客する場合、広告運用が基本です。
“お客様” が求める価値や、ライバルよりも自社の商品を買う理由が、ちゃんと伝わるような広告を運用しましょう。
もちろん、広告以外の方法もありますが・・・こっちのほうが大変かもしれませんね。