検索ワードを調べられないなら、3つの方法を試せばいいじゃない

ごめんください。新潟のWebコンサルタント、小杉です。
なぜかまれによく「コスギス」さんって呼ばれます。単数形でイーンダヨ。

さて先日12日、ウェブ業界を揺るがすニュースが発表されました。

参考:「Yahoo!検索」SSL化のお知らせ – Yahoo!検索ガイド – Yahoo! JAPAN

search words issueこれで何が起こるかというと、ホームページやブログに「どんな検索ワードで来たのか?」がわからなくなるようです。

Google アナリティクスなどのアクセス解析ツールはもちろん、アメブロなどの無料ブログで提供している管理画面にあるアクセス解析ツールまで(※)、ほとんどの検索ワードはわからなくなると思っていいでしょう。
(※未確認ですが、Google や Yahoo! などからの検索ワードを元にしているようなので、間違いないと見ています)

Bing は一部可能になっているらしいですが……サイトがSSL化していればともかく、こちらも時間の問題かと。

上記の Yahoo! JAPAN のニュースでは、キーワードを取得できなくなるかは不明でしたが、以下の鈴木さんによると、キーワードがわからなくなるのは直接 Yahoo! にも確認済みとのことなので、確定ですね。

参考:ついに日本のYahoo検索もSSL化を決定、2015年8月18日から移行を開始 | 海外SEO情報ブログ

ワードがわからなくなるのは、寝耳に水というよりも「ついに来た!」という雰囲気なので、鈴木さんも仰るように「キーワードに頼らないSEOをやっていこう」という流れが大きくなりそうですね。

では、どうするのか?というのが今回の本題です。

前提として、キーワードを分析するのは「発見を得るため」

店名やサービス名などの「ブランドワード」がキーワードになるのは、ある意味当然です。「コスギス」や「新潟 ウェブ解析士」と検索すれば、うちのサイトが表示されます。

むしろこのようなブランドワードでの誘導ができていない場合、キーワードがわからない以前の問題です。サイトの構成やボリュームを見直しましょう。

そもそもキーワード分析は、「売り手がウリ文句にしている文言」ではなく、「買い手が買いたいきっかけになる文言」を確認、発見、行動を分析して改善施策を行うことが目的です。

この「確認・発見」だけで終わっている場合が非常に多いので、「キーワードがわからなくなったら、確認も新しい発見もできないじゃないか!」と不安になっても、問題ありません。その後の「分析・改善」まで行っていなければ、不要な業務がひとつ減るだけですのでご安心ください。

この機会に分析と改善にも興味を持って実践していただけると、きっと御社のウェブビジネスは変わると思います。

1.キーワードがわからないなら、コンテクストを考えたらいいじゃない

これが本命。「コンテンツ」ではありません。「コンテクスト」です。一般的には「文脈」「背景」「状況」などと言われる言葉です。

「検索ワード」とは、検索者の意図が詰まったもの。ランチの場所を探している人が「ランチ 地域名」で検索したとしても、「猫カフェ 地域名」と検索することはまずないでしょう。

「猫カフェ 地域名」と検索する人は、

  • 少なくとも猫好き。
  • その地域に住んでいるか行く予定がある。
  • 写真を撮ってSNSでアップする可能性が高い。
  • よってスマホ率も高い。
  • ブランドワードではないので、新規の訪問者である可能性が高い。

ということを想像できます。既存のデータを組み合わせれば、もっと色々わかるでしょうが、あくまで仮定です。

このように、性格や行動、居住地や持ち物など、想定する相手の状況や背景を「コンテクスト」といいます

コンテクストが想定できたら、相手がどんなことを求めているのか、どんなことで心が動くのか、などを考えます。

どのような猫がいて、どんなサービスがあって、どんな風にくつろげるのか。開店時間や費用、アクセス方法や駐車場などの 5W1H な情報はすぐ思いつくかと思いますので、もう一歩相手に寄り添ってみましょう。

  • もし地域外から来てくれるとしたら
    → アクセス方法を言葉の分からない外国人旅行者が見てもわかるくらい、丁寧にしておくと迷わず来られそう
  • SNSをやっていてスマホを持っているなら
    → 特徴的なカプチーノなど、写真に収めたいと思わせる写真があると来たくなるかも
  • 猫の健康状態を心配しているなら
    → 猫の健康状態もスタッフがブログに載せておくと安心できるし、他のお客様にも気遣っていただけるかも

なんてことも考えることができます。これらの状況の時に、相手がどんなキーワードで検索するのかを考えます。

「アメショ 猫カフェ」「黒猫 カフェ」「さわれる猫」「猫 会話」「猫カフェ 駐車場あり」「猫カフェ 行き方」「猫カフェ 地域名 どうやって」「ねこかふぇ 県名のどこ」「猫鍋カプチーノ」「肉球カプチーノ」「猫カフェ メニュー おすすめ」「猫カフェ 規制 店名」「猫の病気 猫カフェ」……

このように、相手のコンテクストが想像できると、様々なキーワードがどんどん出てきます。

これらを1キーワード1記事(もしくは1カテゴリ)としてブログを書いていくと、その記事のアクセス ≒ 想定キーワードでのアクセス と考えることができるようになります。

つまり、キーワードごとの分析ではなくページ(もしくはカテゴリやコンテンツ)ごとの分析を行うことで、キーワード依存から脱却できます。

ここまでしても不安な方は、キーワードに依存しすぎている傾向があります。以下にツールも紹介していますが、どうせわからなくなるものは思い切って一旦忘れ、記事ページからの行動分析に注力してみてはいかがでしょうか。

今回は端折っていますが、顧客のステージによってコンテクストが変わるので、コンセプトダイアグラムなどと組み合わせて実践することをおすすめします。

参考:Amazon.co.jp: コンセプトダイアグラムでわかる [清水式]ビジュアルWeb解析

清水さんのコンセプトダイアグラムがやっとわかりやすくまとまったので、ワークショップをやりたくてうずうずしている今日このごろ。ダッシュボード式のレポートもオススメです。

2.キーワードがわからないなら、お金で買えばいいじゃない

今回の Yahoo! JAPAN の仕様変更は、普段から広告を扱っている方々にとっては、それほどインパクトの大きいものではないかもしれません。

リスティング広告(検索連動型広告)は検索ワードそのものにお金を払って広告を出しているので、キーワードがわからなくなるということはありません。

広告出稿はギャンブルではなく投資です。投資先のことがわからない投資家はいませんよね。消費ではなく投資だからこそ、コストダウンと成果アップのために分析と改善を行なう習慣が必要になります。

そうでないと、キーワードの確認と発見だけにお金を使うことになってしまい、見返りは期待できません。

例えば毎月10万円かけても、自己満足にしかなっていなかったとしたら。
または毎月10万円かけた分、売上が10万円、20万円……と増えていったら。

経営者はそれぞれをどう考えるでしょうか。

検索連動型広告は、クリックされないと課金されないので、非常に費用対効果の高い広告です。敬遠していた方も、この機会に学んでみてはいかがでしょうか。

参考:Amazon.co.jp: いちばんやさしいリスティング広告の教本 人気講師が教える利益を生むネット広告の作り方

3.キーワードがわからないなら、わかるツールを使えばいいじゃない

キーワードは、閲覧者の意図が詰まったもの。それは変わりません。

だから今後、顧客のコンテクストを理解するためのワークショップやセミナーが増えるのを期待しています。これはウェブに限らず、リアルの商売でも非常に重要なことですから。そうなると、経済情勢も上向くんじゃないかなって。

将来は、そのようなコンテクスト理解のノウハウを実践していただくとして……

「キーワードが取れなくなった!」「このキーワードで大丈夫なのか!?」と、(とりあえずの)心の拠り所が欲しい方は、キーワードがわかるツールを使えばいいんです。

Google キーワードプランナー

先に上げた Google の検索連動型広告の管理画面で使える、出稿キーワードの補助ツールです。

「怖いから、まだ広告出すつもりなんかないよ!」という方でも、ご安心ください。登録は必要ですがキーワードプランナーは無料で使えます。

どのようなキーワードの検索ボリュームが大きい? 競合がどれだけいる? 四季トレンドは? 関連するキーワードは? などの情報を得ることができます。

keyword planner

参考:キーワード プランナー – AdWords ヘルプ

ただしキーワードプランナーを使っているのはあなただけではありません。表示される関連キーワードは、競合も狙っている可能性が高いことをお忘れなく。

また、キーワード選定に関する問題点にも言及した、中級者向けの記事は以下に。

参考:SEOのキーワード調査2015:キーワードプランナーを100%頼りにはできない時代の方法論(前編) | Moz – SEOとインバウンドマーケティングの実践情報 | Web担当者Forum

Google サーチコンソール(旧 Google ウェブマスターツール)

Google の検索からご自身のサイトにアクセスされる直前の、検索結果に表示された際の情報がわかります。

Search Console

検索トラフィック → 検索アナリティクス を開くと、このような画面が表示されます。「クエリ」というのがキーワード。クリック数はご自身のサイトへのアクセス数と思って良いでしょう。

キーワードの隣にあるアイコン(□っぽいもの)をクリックすると実際の検索結果が表示されるので、「あ、このページか」とわかるわけです。訪問者になりきって、実際にアクセスして行動をなぞってみてくださいね。

訪問者が満足できる内容になっていますか?見て欲しいページに誘導できていますか?

ちょっと専門用語が多いのですが、詳細は以下のヘルプセンターも参考に。

参考:Search Console ヘルプセンター

サチコさんだって、いつまでキーワードが取れるのか、わからないんですけどね。

SimilarWeb(シミラーウェブ)

こちらは競合調査ツールです。無料から使えますが、有料版の機能(と料金)には目を丸くします。

自サイトのデータだけでなく、競合などの自分では管理できないホームページの「こんなことまでわかるの!?」という情報が手に入ります。

similarweb

上記は一部なので、全体の確認は以下からどうぞ。競合や、ご自身のサイトも確認してみてください。「インターネットは情報を隠せないんだなあ…」としみじみ感じるかもしれません。うまく出したほうが得をする時代ですヨ。

kosgis.com の SimilarWeb 結果:Kosgis.com Analytics – See Traffic Ranking & Stats

難点として、サイトのボリュームが小さかったり、できたばかりのサイトは情報が少ないので、表示されません。

日本語版は有償ツールの解説が主ですが、今回の Yahoo! JAPAN のニュースを受けて、SimilarWeb の強みが紹介されていました。

参考:「Yahoo! 検索」がSSL化も「SimilarWeb PRO」の解析には影響なし!検索キーワードも取得可能 | シミラーウェブブログ

こちらにある通り、SimilarWeb はデータの取得方法が独特なので、検索エンジンの仕様変更にあまり影響を受けないメリットがあります。

キーワードサジェストツールは使えなくなる?

お世話になっている goodkeyword さんから、関連ワードを取得するための API が使えなくなりそう、というアナウンスがありました。

参考:goodkeywordの今後について « 佐藤の原稿用紙1枚分

これによって、関連語の取得も厳しくなってきそうです。

キーワードに依存しないよう方針転換しつつ、上手にツールを使いたいですね。

 

ということで、マリー・アントワネット的なキーワード対策でした。キーワード依存から抜け出すひとつの手段として、コンセプトダイアグラムはとってもおすすめです。

1978年、新潟県南魚沼市生まれ、長岡市在住。夫と子ども2人をこよなく愛す。

教員養成課程を修了して教員免許を取得するも、民間企業に就職して12年近くウェブ制作に関わる。デザインから開発まで、制作業務をトータルでこなすオールラウンダー。

2013年4月には新潟県で初のウェブ解析士マスターになり、同年6月に起業、コスギスとして活動。心理学に基づいたコンテンツ分析と、SNSなども含めた幅広いウェブマーケティング、そしてWordPressでのサイト構築を得意とする。

ウェブ活用の人材を育てる「ウェブ解析士認定講座」や関連セミナーを新潟県内で唯一定期開催。WACAアワードにて 2016年 Best of Best を受賞。2017年 ペライチ公式 新潟県代表サポーター。

初心者向けのWordPressの勉強会(WordBench新潟・長岡藩)や、ホームページ勉強会を主催。セミナー講師としても活動中。